こんにちは、ポッケです。今日は私が保持している米国超長期債(TLT)に影響を及ぼす、アメリカの政策金利と長期金利について書きたいと思います。
米国政策金利の引き下げは予想よりゆっくり行われるのか?
ブルームバーグにて、アトランタ連銀総裁が今年の利下げを一回行ったあと休止する予想をしていると記事にあります。
アトランタ連銀総裁、7-9月に1回利下げ後は休止すると予想
2024年3月5日 2:39 JST ブルームバーグより
予想より利下げスピードが緩やかになる可能性があり、その場合の今後の動きを予測するため過去のデータを調べたいと思います。
米国政策金利、30年国債金利、TLT価格の関係性
今回もヤフーファイナンスからデータを取ってきまして、グラフにしてみました。
TLTはまだ歴史が浅いので2002年からのデータです。このグラフから読み取れることをいくつか挙げてみます。
- ①長期、短期の米国債金利はここ数十年下がり続けていた。
- ②長期金利は短期金利の変動を追いかけている。
- ③長期金利は短期金利に比べて変動が緩やかである。
とりあえずこのあたりでしょうか、1つずつ確認していきます。
①長期、短期の米国債金利はここ数十年下がり続けていた。
単純に金利が下がればお金を借りやすくなります。つまり経済が活発化するので、近年続いていた米国株の躍進の一つの理由になりそうです。ただ、短期債のゼロ金利が長く続くようになり、長期債の金利もこれ以上下がることができない水準にまで来ています。インフレ加熱の対策として利上げが続いてきましたが、景気が悪くなった際には金利引き下げという手が生まれるので、アメリカは柔軟な対応を行っていると思います。
②長期金利は短期金利の変動を追いかけている。
短期金利はFRBが決定するので、自由に設定することができます。一方長期金利は直接的に操作できず、外部要因で変動します。ただグラフを見る限り、短期金利が下落すると長期金利も下落しているように見えます。
③長期金利は短期金利に比べて変動が緩やかである。
短期金利に比べ、長期金利は短期金利や外部要因の影響で変動するので、変動は緩やかです。短期金利の変動に近い動きはしており、山や谷の時期は一致しているように見えます。
これらから予想されるTLTの動きは?
これらの記載の内容を照らし合わせて、予想より利下げが緩やかだとすると、長期金利の低下もさらに緩やかになるはずです。これまでの長期金利の低下はおおよそ5年で1%程度だったため、TLTのデュレーションが17.08年(2023/12/31現在ブラックロックより)からすると、同じスピードでの長期金利低下の場合年間0.2%程度の低下、TLT価格は0.2×17.08=3.56%の上昇。それよりも1/2のスピードの利下げだとすると、TLTの価格上昇は半分の1.78%となります。
まとめ
うーん、利下げが緩やかになるとTLTのメリットが思ったほど出てきません。景気悪化時のNasdaq100のリスクヘッジ+円高方向の為替変動をTLTで吸収する手はずなので、TLTのリターンが悪いとドル資産全体のリターンが下がってしまいます。ドル資産の一極集中(仮想通貨もドルベースですし)は少し緩めるべきかもしれません。インド以外の急激な成長が見込める新興国かつ、費用もリーズナブルなインデックスが今のところ見つからないため、TLTをもう少しNifty50に振り分けることも案の一つです。